【カヌー】世界選手権はB決勝7位 五輪出場枠獲得ならずもアジア勢では出場獲得圏内の2位

カヌースプリント日本代表・當銘孝仁選手

パリ五輪出場枠獲得がかかる世界選手権大会(2023年8月23日~27日、ドイツ デュイスブルク)に出場した、プロカヌーアスリートとして新潟県三条市を中心に活動するカヌースプリント日本代表・當銘孝仁選手(とうめたかのり・30)=アーネスト=はB決勝7位となり、今大会でのパリオリンピック出場内定はならなかった。来年4月に東京・海の森水上競技場で開催されるアジア選手権大会での五輪出場枠獲得を目指す。


ドイツから8月29日に帰国、9月2日に三条市で開催された「パドルスポーツフェスタ」のために来条した當銘選手に話を聞いた。

世界選手権の直前に独自でスペインチームの合宿に参加。「有力選手と有意義なトレーニング」(當銘選手)をしてからドイツ入り。五輪出場枠を獲得できる決勝(Aファイナル)5位以内を目指して大会に備えた。

23日のシングル(C-1)1000m予選5組に出場。「予選が5位上げだったのでとりあえず5位以内を目標にして」力を残して漕ぎ5位。24日の準決勝へ。
A決勝に進むためには3位以内に入らなければならない準決勝では6位。
準決勝のレースを振り返って當銘選手は「スタートが遅かった、失敗といってもいいくらい」で漕ぎがあたふたしてしまいスピードに乗れず、26日のB決勝へ。

B決勝では3分57秒235で7位。A決勝1位となったチェコ選手のタイムは3分45秒124。12秒程の差があるが、後半追い上げタイプの當銘選手の後半500mのラップは約121秒でチェコの選手との差は5秒程。「スタートがうまい方ではない」當銘選手は「最初の250、500mが解決できれば違った結果になっていたのでは」と前半のレース展開をポイントにあげた。


次のチャンスは来年4月に東京・海の森水上競技場で開催されるアジア選手権大会。A決勝2位以内に入ればパリ五輪出場が内定する。ラストチャンスだが、世界選手権ではアジア勢の中でイラン選手に次ぐ2位。「今回、出ていない国もあるので安心しているわけではないが1位通過する位の力がないとダメ」と気を引き締めている。世界選手権ではレンタル艇を使用した感覚の違いもあったが、アジア選手権は東京開催で自艇を使えるアドバンテージもある。

當銘選手はスペイン合宿の手応えから「自分よりも秀でている選手たちとやってこそ」自身のレベルアップにつながると海外合宿を志向する。海外のトップ選手たちと競い合い、「いいトレーニング習慣を継続」して、アジア選手権大会での勝利を目指し、パリ五輪の決勝の舞台に目標を据えている。

[當銘孝仁選手プロフィール]
沖縄県糸満市出身。大正大学卒業の2015年から2022年3月まで三条市スポーツ協会(当時は三条市体育協会)に所属。沖縄水産高校時代に始めたカヌースプリント・カナディアン競技でインターハイ、インカレ優勝。ジュニア、U23、A代表と各年代の日本代表として活躍。世界選手権やワールドカップにも出場。リオオリンピックでは出場まであと一歩と迫った。東京オリンピックへは男子カナディアンペア(C-2)1000mでの出場を目指しシニア世界選手権大会やアジア選手権に挑んだ。特にアジア選手権ではトップと0.17秒の僅差まで迫るも、日本の出場枠獲得には至らなかった。その後、シングル(C-1)1000mの東京五輪代表選手選考会で優勝し、2021年8月、東京五輪に出場した。
2022年4月からアーネスト株式会社(新潟県三条市福島新田)に所属し、プロアスリートとしてパリ五輪出場を目指して活動をしている。


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