【カヌー】東京五輪出場の當銘孝仁選手が「パリ五輪まで支援する」と即断・即決のアーネストとの所属契約に調印

アーネスト株式会社(新潟県三条市福島新田、鈴木一矢代表取締役社長)は、カヌースプリント競技で東京オリンピックに出場した當銘孝仁(とうめたかのり・29)選手との所属契約締結に合意し、2022年4月21日午後2時から同社で調印式を行った。


調印式には當銘選手、アーネスト株式会社の鈴木邦夫代表取締役会長、鈴木一矢代表取締役社長と新潟県カヌー協会から柴田圭介副会長、近藤雅晴理事長が出席。所属契約書に當銘選手がサインして押印。続いて鈴木社長が署名、押印して調印を済ませると二人は撮影に応じた。

調印に先立ち3月まで所属していた三条市スポーツ協会の岩瀬晶伍事務局長が契約までの経緯を報告。當銘選手は東京オリンピックの代表内定の時から五輪後の現役続行について悩んでいて、ディスカッションを重ね、様々な人に相談をしていたが「新潟で五輪を目指したい、メダルを獲りたい」と、熱い想いが本人から吐露されたが資金不足の難題があった。家族もできた状況において競技に集中できるように『プロアスリート』を目指し、スポンサー企業を求め、“県内のスポーツ振興、自然保護、貧困する子供たちの支援など社会問題に取り組みたい”という當銘選手の熱い思いをいろいろな企業に伝えた中で、アーネストから「パリ五輪まで支援する」という熱い言葉をもらったことから、選手を続けパリ五輪に挑戦する道が開け、契約に至った。

アーネストは昨年11月に開催された競技スポーツの継続を希望するスポーツ選手と県内企業をつなぐ交流イベント「にいがたアスリートキャリアフォーラム2021」に参加したことがきっかけで當銘選手と出会った。東京五輪では実力を出し切ることができず不完全燃焼で終わった當銘選手の「この新潟、この三条でパリ五輪出場を目指したい」意志やメダル獲得への想いを受け、三条市の一企業として応援をしたいと支援を決めた。SDGsへの取り組みやカヌー教室の支援、学校等での講演活動、など競技以外の活動も評価した。

カヌースプリントは片膝を立てて乗る姿や鍛えられた肉体でパドルを漕ぐ姿、非常に魅力的でアウトドアとの親和性も高く、同社のアウトドアプランド「apod(エーポッド)」とのシナジーを生み出せると期待している。


調印後の挨拶で鈴木会長は「話をいただいて非常にありがたい話。受けさせていただく」とその場で結論を出したと述べた。スポーツが好きで、地元のアルビレックス(野球、サッカー)、三条市の3×3チームなどに「協力をさせていただいている」。當銘選手には「パリ五輪ではメダルを獲得して欲しい。できる限りのサポートをする」と約束をした。

所用のため欠席した塚田一郎新潟県カヌー協会会長は「本日、調印の運びになりましたアーネスト様には重ねて感謝申し上げます。新潟県カヌー協会としても引き続き競技力向上に向けてサポートして参ります」と挨拶をよせ、柴田圭介副会長が代読した。


當銘選手は、同社から「本当に頑張ってくれ」と言われたことが何よりも後押しになり、さらに「競技に集中して欲しい」とアスリートとしてこれ以上ない言葉をかけられたことを感謝。「五輪のメダルを心の底から手にしたい」と決意を述べた。今後、代表合宿は主にナショナルトレーニングセンターがある木場潟カヌー競技場(石川県小松市)で行い、他に沖縄、新潟・三条で活動をしてゆく。5月のワールドカップ(ポーランド)、8月の世界選手権(カナダ)に出場する予定。

當銘選手は沖縄県糸満市出身。大正大学卒業の2015年から三条市スポーツ協会(当時は三条市体育協会)に所属。沖縄水産高校時代に始めたカヌースプリント・カナディアン競技でインターハイ、インカレ優勝。ジュニア、U23、A代表と各年代の日本代表として活躍。世界選手権やワールドカップにも出場。リオオリンピックでは出場まであと一歩と迫った。東京オリンピックへは男子カナディアンペア(C-2)1000mでの出場を目指しシニア世界選手権大会やアジア選手権に挑んできた。特にアジア選手権ではトップと0.17秒の僅差まで迫るも、日本の出場枠獲得には至らなかった。その後、シングル(C-1)1000mの東京五輪代表選手選考会で優勝し、2021年8月、東京五輪に出場した。

アーネストはアイディア雑貨・キッチンウェアのファブレスメーカー。昨年40周年を迎え、更なる発展とよりよい社会の実現に貢献する ため、地域活性化と少年少女の健全育成につながると考え、當銘選手と所属契約を締結した。當銘選手のパリ五輪出場とメダル獲得を目指し世界に挑戦し続ける姿が必ず誰かの一歩を踏み出す力になるとして、その夢の実現に向けて、當銘選手を応援する。契約期間はパリオリンピック終了後の2025年3月まで。


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