【カヌー】「最後まで諦めない姿にすごく感動した」三条市長がプロカヌーアスリート當銘孝仁選手にねぎらいの言葉

プロカヌースプリントアスリート・當銘孝仁選手

東京五輪カヌースプリント日本代表でプロカヌーアスリートとして新潟県三条市を中心に活動する當銘孝仁選手(とうめたかのり・31)=アーネスト=が三条市役所を訪れ、滝沢亮市長に4月に行われたアジア大陸予選の結果を報告し、ことし取り組みを予定しているパドルスポーツイベントや地域振興活動についての説明を行った。

(投稿/2024年6月14日)

當銘選手は6月4日午後3時頃に當銘選手のマネージメントをする三条市スポーツ協会の岩瀬晶伍常務理事とともに滝沢市長を訪問した。

當銘選手は2021年8月に東京オリンピックカヌースプリント競技男子カナディアンシングル1000mに出場したが準々決勝で敗退。「メダルを狙うには今の環境では難しい」として『プロアスリート』を目指し、岩瀬常務とともにスポンサー企業を探したところアーネスト株式会社(鈴木一矢代表取締役社長・新潟県三条市福島新田)など複数社の支援が決まり、カヌースプリント競技ではほぼ初めてとなるプロアスリートとしてパリ五輪出場を目指して活動を始めた。スポンサードを得たことで活動資金にも余裕ができた。トレーニングから食事に至るまで納得のいくものを追求できる環境が整った。独自にスペインやアメリカでの合宿も行った。各国の代表チームや五輪金メダリストなどともトレーニングを重ね十分な強化を図り、アジア大陸予選に臨んだ。

パリ五輪出場をかけたアジア大陸予選は4月に海の森水上競技場(東京都江東区)で開催され、滝沢市長や前三条市長の国定勇人衆議院議員、アーネストの鈴木一矢社長らが応援に駆けつけた。「最高のコンディション」(當銘選手)で臨んだレースだったが8位となりパリオリンピック出場を逃した。

【カヌー】當銘孝仁選手パリ五輪出場ならず カヌースプリントアジア大陸予選

現地で決勝レースを応援した滝沢市長は「結果としては残念でしたが最後まで諦めない姿にすごく感動した」と、労った。當銘選手は「東京まで来ていただいて応援していただいたのは本当に嬉しかった」と感謝し、不甲斐ない結果で精神的にかなり堪えたが一ヶ月が経ち「ようやく心の整理がついて落ち着いてきた」と報告した。

岩瀬常務は、東京五輪からパリ五輪までの市長をはじめ市民からの支援に礼を述べ、「結果としては残念だったが「プロアスリート當銘」の価値がなくなったわけではない」として、選手としてどこを目標にするのかをいまはっきりさせるのは難しいが、パドルスポーツイベントや地域振興などできることをしっかりやっていくとして、「小学校SUP&水辺の安全教室」、「アーネストカヌースプリントクリニック」、「パドルスポーツフェスタ2024」、「トップアスリートスポーツフォーラム」の事業について當銘選手が参加して実施していくと説明した。

9月1日に開催するパドルスポーツフェスタではスペイン合宿で一緒にトレーニングをしたスペイン代表選手によるスキルクリニックを予定していて、パリ五輪代表内定のディエゴ・ドミンゲス選手と世界選手権出場予定のノエル・ドミンゲス選手を講師に予定している。

「4月の後はトレーニングやカヌーに乗ったりということは?」と市長が尋ねると當銘選手は「本当に考えるだけで頭が痛い時期があった。自分自身でも想像してなかったぐらいすり減ったなと感じた」がようやく気持ち的にも落ち着いてきて、子供たちや地域の方々と関係性を築いてやっていきたいと前向きに思えてきた。「恩返しのためにも馬車馬のように働きます」と宣言。

アジア大陸予選直後には競技からの引退を示唆する発言もあったが、支援企業の挨拶まわりをした時にアーネストの鈴木邦夫会長から「ゆっくり休んだらいい。続けるなら応援しますから」と言われたことが一番の救いとなり「一つずついろんなことに挑戦していきたい」(當銘選手)と競技に向き合う力も生まれ、国民スポーツ大会(国スポ)、全日本選手権への競技準備を進めている。

滝沢市長は報告・説明を受け「オリンピックに出場したトップアスリートがこの地域にいるというだけで地域の財産。さらに(地域のために)活動してくださるのはありがたい」と期待を込めた。

表敬訪問後のメディア対応で、アジア大陸予選後の初レースとなった佐賀国スポ新潟県予選で、最初(出場を)聞いた時はとにかく憂鬱でしょうがなかったが応援してくれる人が沢山いて、高校生が「倒してやる」とレースに挑んできた時は「めちゃくちゃ嬉しくなった」と答えた。6月1日に実施された佐賀国スポ新潟県予選では優勝し、北信越予選に進んだ。


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