カヌースプリント日本代表・當銘孝仁選手
プロカヌーアスリートとして新潟県三条市を中心に活動するカヌースプリント日本代表・當銘孝仁選手（とうめたかのり・30）=アーネスト=が10月23日、2023年シーズンの大会・活動の報告とパリ五輪出場をかけた2024年シーズンに向けての取り組みを滝沢亮三条市長に報告した。
當銘選手は23日午前10時15分頃に三条市スポーツ協会の岩瀬晶伍事務局長とともに滝沢市長を訪問した。日本代表の黒いポロシャツ姿の當銘選手はパリ五輪出場枠獲得のかかった「2023年度世界選手権大会」（ドイツ・デュイスブルク、8月）ではB決勝7位で五輪出場内定には届かず「結果があまりよくなかったが自分としては手応えを感じた」大会で、オリンピック出場をかけた最終大会「アジア選手権大会」が来年4月に東京・海の森水上競技場で開催されるので「そこでアジアで2番以内に入れば五輪出場が決まる」、「8月の世界選手権大会（ドイツ）では、アジアでは2位の位置にいたのでこのままいけばパリ五輪に出場できる」と報告すると、滝沢市長は「予定を仮押さえ」と現地での応援を検討する様子をみせた。
世界選手権大会から帰国後すぐの「日本カヌースプリント選手権大会」（石川県小松市、9月）では1000mで優勝、200mで準優勝、500mで3位という結果を出し、“ゆるいオフ”をとった後の10月の「かごしま国体」では500mで7位、200mで5位という結果に「成績が思わしくないが、すべては来年（パリ五輪）のために仕上げるため」と話した。
岩瀬さんは競技以外にも、鳥屋野潟でのカヌー教室、新潟プロレス観戦、三条市総合型地域スポーツクラブりんぐるの小学生運動あそび教室への参加など地域貢献活動にも取り組み、三条市飯田小学校で運動あそびやカヌー体験の交流教室を実施し、9月2日にはパドルスポーツフェスタで市民と触れ合ったことを報告。三条市を含めた新潟県や沖縄を強く発信できるように広報を積極的に行い、地域活性化アスリートとしてただオリンピックを目指すだけではない、ということを継続していきたい、と説明した。
當銘選手は日本代表での活動から抜けて、個人で海外のクラブチームの練習・合宿に参加していて「かなり成長した」、夏に参加したスペインチームの合宿では「何も隠すことなく教えてくれたり、試合の分析までしてくれた」、「この冬も海外で強化を図りたい」とした。
来シーズンに向けては「いまが一番いい時期に来ている。必要なのは結果を残すこと。一番はメダルを持ってくること」と抱負を述べると、滝沢市長は、東京五輪出場後の表敬訪問の時に多くのメディアが集まったことが「印象に残っている」、「4月の選考大会でしっかりと結果を出し、夏のオリンピックで“メダル”を獲得できるよう、市民も一丸となり引き続き応援したい」と激励した。
報告会後の取材に當銘選手は、日本カヌースプリント選手権大会で「1000mで優勝することができたのでよかった。世界選手権の帰りだったのですごい疲労感があったがしっかり勝ち切ることができた」、かごしま国体の結果については「来年のためと割り切って臨んだ大会。結果を気にせず、来年に向かってやっていきたい」と応えた。
［當銘孝仁選手プロフィール］
沖縄県糸満市出身。大正大学卒業の2015年から2022年3月まで三条市スポーツ協会（当時は三条市体育協会）に所属。沖縄水産高校時代に始めたカヌースプリント・カナディアン競技でインターハイ、インカレ優勝。ジュニア、U23、A代表と各年代の日本代表として活躍。世界選手権やワールドカップにも出場。リオオリンピックでは出場まであと一歩と迫った。東京オリンピックへは男子カナディアンペア（C-2）1000mでの出場を目指しシニア世界選手権大会やアジア選手権に挑んだ。特にアジア選手権ではトップと0.17秒の僅差まで迫るも、日本の出場枠獲得には至らなかった。その後、シングル（C-1）1000mの東京五輪代表選手選考会で優勝し、2021年8月、東京五輪に出場した。
2022年4月からアーネスト株式会社(新潟県三条市福島新田)に所属し、プロアスリートとしてパリ五輪出場を目指して活動をしている。
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