【水泳】パリ五輪目指すオープンウォータースイミング日本代表の加藤はなの選手(三条市出身)

三条市出身でオープンウォータースイミング(OWS)日本代表の加藤はなの選手(24)=ダッシュスイミングスクール三条=は、パリ五輪選考大会の一つ、7月の世界水泳選手権2023福岡大会「OWS10km」で33位だったレースを振り返り、「実力を受け止めて次に繋げたい」と語った。

8月27日に三条市民プールで行われた第19回三条市民総合体育祭水泳競技大会に“まさか”の出場をした加藤選手に話を聞いた。

OWSは海や川、湖など自然の水の中で行う「水のマラソン」と呼ばれる長距離の遠泳競技。3歳から水泳を始めた加藤選手は小学3年生の時に選手コースに入り競泳自由形の400m、800mを専門に中学・高校と活躍してきた。高校2年の時に、現在も指導を受ける中條和之コーチの勧めでOWS競技を始めた。

OWS競技では、2021年6月のオーシャンズカップ2021(千葉県館山市)で3位、第97回日本選手権水泳競技大会(2021年10月、高知県須崎市)で初めて5位入賞してポイントランキングで3位になり日本代表となった。翌2022年の世界水泳ブダペスト2022のOWS女子25kmで9位、10月の日本選手権で2位となり世界水泳選手権2023福岡大会(2023年7月)の出場権を獲得。11月のFINAマラソンスイミングワールドシリーズエイラート大会(イスラエル)、2023年5月のW杯イタリア大会・ポルトガル大会と世界大会を経験して、パリ五輪の選考大会の1つで自国開催の世界水泳選手権2023福岡大会(2023年7月)でOWS女子10kmに出場し、結果は33位だった。

加藤選手は「目標は高く言っていたが、自分の実力がどの位置にあるのかを確認するいい機会だった。もちろん、トップとの差を縮めることを目指していたが、実力を受け止めて次に繋げたい」と振り返り、カタール・ドーハで行われる世界水泳選手権(2024年2月)でのパリ五輪出場枠獲得を目標にあげた。

世界水泳福岡大会ではコースを6周するレースで、5周目に1回スピードが上がって、ラスト1周でもう1回スピードが上がるという展開だったが5周目の最初のスパートで離されてしまった。「そこでしっかりとついていくことが大事」で「余裕のない中で集団についていってた」ので「スパートがかかる前にいかに楽に集団についていけるのかがとても重要」と課題を挙げた。

パリオリンピックに出場するためには2024年2月にカタール・ドーハで開催される世界水泳選手権で13位以内が条件となるが、世界水泳出場のためには、ことし11月の日本選手権(千葉・館山)で代表権を勝ち取らなければならない。日本選手権で「優勝して代表に入らないと(世界水泳の)最終選考会にすら進めない」。国内にも強力なライバルがいて日本選手権での優勝は簡単ではないが「自分が世界のどの位置にいるのかがはっきりわかったので、弱いところをトレーニングしてまずは日本選手権で優勝してドーハ(の世界水泳選手権)で13位以内に入ってパリ五輪の切符をつかみたい」と意気込みを語った。

指導をするダッシュ三条の中條コーチは加藤選手について「粘り強い」。環境に左右されにくく「波とか、天候が悪くなっても我慢強さがある」として、自然の影響を受けやすく長距離のOWS向きだと評する。

加藤選手は競泳400m・800m自由形の競技も続けており、OWSとの“二刀流”(中條コーチ)を目指していて、9月の鹿児島国体では競泳・OWS共に出場する。

[加藤はなの選手プロフィール]
新潟県三条市出身。3歳の時に水泳をはじめる。三条第二中、長岡大手高、新潟大学を卒業して現在、新潟大学大学院で運動生理学を学ぶ。競泳専門種目は400m・800m自由形。中学2・3年時に全中出場。高校1〜3年時に高校総体に出場し、800m自由形で7位入賞(2年)、800mリレーで8位入賞(3年)。
高校2年生でOWSを始める。2021年のオーシャンズカップで3位、日本選手権で5位入賞し、日本代表になり世界水泳ブダペスト(2022年6月)女子25kmに出場し9位。2022年の日本選手権で2位となり世界水泳選手権2023福岡大会の代表に内定。FINAマラソンスイミングワールドシリーズエイラート大会(2022年11月、イスラエル)、2023年5月のW杯イタリア大会・ポルトガル大会、世界水泳福岡大会(2023年7月)に出場。

トレーニングをする加藤はなの選手の様子

2023年9月7日(ダッシュスイミングスクール三条)

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