SNOW JAPAN『須貝 龍』
アルペン高速系からスキークロスへ転向
須貝龍選手は2018年10月27日、須貝龍SANJO応援団報告会で集まった30人程の会員に、アルペンスキーの滑降やスーパー大回転、複合などの高速系種目からフリースタイルのスキークロスに種目を変更することを報告した。報告会後の囲み取材で話を聞いた。 [再掲載]
須貝龍選手(すがいりょう・26・チームクレブ)は胎内市出身、三条市在住のアルペンスキースピード系種目の選手。世界トップレベルのヨーロッパのレースを転戦。2017/2018FISアルペンスキー・ワールドカップでワールドカップポイントを獲得。日本人男子でワールドカップの得点を取ったのは皆川賢太郎さんなどわずか数名。しかし、オリンピック選考基準の20位以内2回又は8位以内をクリアできず平昌オリンピックには出場できなかった。
世界一の難コースと言われるキッツビューエルで、日本人としては31年ぶりに完走した。
須貝選手が2017-18シーズンが終わってヨーロッパから帰国した4月に種目変更の話があり、6月には決断、全日本スキー連盟強化指定選手SNOW JAPANにも選ばれ活動を始めている。
ーーースキークロス(SX)に転向する経緯について
須貝選手(以下、須貝):オリンピック種目から一番得意にしているコンバイン(複合)種目がなくなることがきっかけ。
ダウンヒル(DH)をやるのか、SXに転向するのかはどっちが可能性が大きいのか、4年後を目指すのにどちらが可能性が大きいのか、という判断でSXを選んだ。
ーーーいままでアルペンの高速系をずっとやってきた。転向の決断に葛藤はなかった?
須貝:ありました。でも、DHという種目をまったく辞める決断はまだしてなくて、SXで例えばW杯優勝とかシングルに常に入るような選手になればまたそこからダウン系に戻るのもダメなわけじゃない、可能性としてはまだ消えたわけじゃない。
僕の中では高速系種目は特別な種目で(SX挑戦は)それにつなげる一つのステップ。最終的には両方並行してできればと思っている。
ーーーアルペンと最も違う部分は?
須貝:今までヨーロッパをベースにやっていたので、周りが知り合いだらけなので異国の地でやっている感じがしなかった。種目が変わったら出場する選手が全く違うのでアウエイ感があった。
大会のスケジュールも把握できてなかった、まず予選があってから決勝なんだ、ということすらわからない状況。
予選32番に通ればそのまま決勝のシリーズに進んで、予選の順位も関係ないと思っていたら予選のタイムの順位でゲートを選べたり、キャンセルになった場合は予選の順位がそのまま反映されるだとか、そういうことが全くわからず出場していたのでいろいろ大変だった。
ーーーウェーブの種類とかスタートとかレース運びの難しさを感じることは?
須貝:スタートですね。スタートはアルペンにないものなので。スタートは動作自体やったことがなかったので本当に最初は苦労した。
ーーー多人数での駆け引きに戸惑いはなかった?
須貝:転向にあたって一番ネックな部分はジャンプ台が上を向いていることと人と一緒に滑るところだったが、ジャンプ台に関してはやってみたら問題がなくて、人と一緒に滑るということも問題がなくできた。
ヨーロッパの選手と比べても体のサイズが劣るわけじゃない、あたり負けをしない、そんなに影響しなかった。
ーーー板の滑らせ方は高速系で得意としてたところだとおもうが、他の選手と比べて自身になった部分は?
須貝:アルペンをやってきてSXに転向した選手もいるが、そのなかでもターンの技術、スピードは劣らないので、あとはスタートセクション、ウェーブもアルペンにはないSX独特のウェーブでその処理の仕方はまだ敵わない部分がある。
ーーーあらためて意気込みを聞かせてください。
須貝:北京オリンピックまで4年間、4シーズン、実際には3シーズン半位だがあまり時間がないというのも重々承知をしていて
、それまでに世界ランキングをどんどん上げていかないと出場すら叶わない目標ではあるが、いままでやってきたなかで間隔でいうとメダルまで見えてくるんじゃないか、新潟県からメダルの取れる選手になれるのかな、と思っている。
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