【スキー】スキークロスに転向、北京五輪を目指す! 須貝龍選手 [再掲載]

SNOW JAPAN『須貝 龍』

スキークロスで北京五輪を目指す

アルペンスキーのスピード系種目でFISワールドカップなど世界トップレベルのヨーロッパで活躍していた須貝龍選手(三条市在住)が、種目を変更しスキークロスで北京オリンピックを目指すことを報告した。 [再掲載]

須貝龍SANJO応援団報告会が2018年10月27日午後5時半から三条東公民館で開催された。須貝龍選手(すがいりょう・26・チームクレブ)は集まった応援団約30人に、アルペンスキーの滑降やスーパー大回転、複合などの高速系種目からフリースタイルのスキークロスに種目を変更することを報告、経緯や今シーズンの活動などの説明を行った。

はじめに、団長の太田英夫さんが今年5月に立ち上げた応援団について「立ち上げの時、須貝選手はアルペンスキー、高速系でヨーロッパで活躍していた。6月に種目変更をするという報告が本人からあり、アルペンスキーヤー須貝選手から、スキー選手須貝選手に変更して、北京オリンピックに出られるように応援していきたい。」と挨拶をした。

須貝選手は1月12日にウェンゲン(スイス)で行われた、2017/2018FISアルペンスキー・ワールドカップで29位に入り自身初のワールドカップポイントを獲得した。日本人男子でワールドカップの得点を取ったのは皆川賢太郎選手などわずか数名。しかし、オリンピック選考基準の20位以内2回又は8位以内をクリアできず平昌オリンピック出場は逃した。

続いて須貝選手は「日本人選手が誰も挑戦していなかった種目だったので、ずっと続けていきたいという気持ち」だと高速系種目へのこだわりがあるものの、「2年後に一番得意としてきたアルペンコンバインド(複合)の種目ががなくなるということで、この種目でオリンピックに出場することができなくなった。これをきっかけに種目変更をした」と報告した。

須貝選手が2017-18シーズンが終わってヨーロッパから帰国した4月に種目変更の話があり、6月には決断、全日本スキー連盟強化指定選手SNOW JAPANにも選ばれ活動を始めている。

スキークロス(SX)はジャンプ台や急カーブなどの障害物が続く全長約1キロのコースを複数の選手が同時にスタートして滑り、順位を競う種目。接触や転倒などで順位が入れ替わることもある。

須貝選手は8月にはオーストラリア、ニュージランド遠征、10月はスイス遠征を行って帰国した。
種目変更をしたばかりの8月遠征では、雪上に立って10日程でレースに出場。アルペンスキーとは全然違うスタート方法、SX特有のジャンプ、ウェーブの仕方などを学びながら3レースに出場し4番、3番、4番という成績だった。スキー自体が強くない南半球の大陸別の四大大会の一つコンチネンタルカップで表彰台にも上がった。

8月の遠征でどこが得意でどこが得意でないのか、ある程度みえてきた。
苦手なのはスタート。SXはアルペンと違ってスタートバーを引きながらゲート(板)が開いたら4人同時にスタートする。
標高3500m程の氷河サースフェー(スイス)にはSXの常設コースがありフランス、スイス、スウェーデンチームなどと一緒に練習することができた。
(練習の映像をみながら)「これが僕で、まだスタートが上手にできない」と説明。「アルペンスキーだと自分が早いのか遅いのか感覚でしかわからないが、SXは目で見てわかる」とし、自分が後ろだった場合は前の人を追い越してやろうという気持ちになり「滑っていて楽しさを感じる」と楽しんでいる様子もみせた。

SXにはまず予選がありひとりずつタイムトライアル(TT)をする、その中から早い32人が決勝トーナメント(決勝T)に進むことができる。決勝Tの32人に入るためには、TTで2秒差以内が目安。「今回のスイス遠征で感じたのは、タイム差をみると32番に入れるレベルにあるんじゃないか」と手応えも感じている。

須貝龍SANJO応援団報告会2018-19シーズンの予定としては、11月8日から4月3日まで5ヶ月程の長期遠征を行う。
ピッツタール(オーストリア)で1ヶ月練習をこなして、11月24日ピッツタールでのヨーロッパカップが初戦となる。続けてフランス、カナダ、アメリカ、ドイツ、ロシア、スイス、オーストリアでW杯や世界選手権などに参戦する予定。
現在、須貝選手の世界ランキングは南半球のレース結果が反映されて130番位、FISポイントで77か78点でワールドカップ(W杯)には出場できない。まず、W杯出場に必要な100点以上をとり、W杯に参戦することが目標となる。

[目標]

北京オリンピックまでに、1年目(2018-19)世界ランキング80位、2年目(19-20)同50位、3年目(20-21)同32位、4年目(21-22)同10位を最低限の目標とした。
1年目の最低目標は80位だが、全日本スキー連盟A指定を受けるために40位以内が今シーズン最大の目標で、4年目のオリンピックイヤーに向けては「3年目に32位以内に入っているのがすごく重要」で、4年目に10位に入ることができれば「オリンピックのメダルも見えてくる」と締めくり、報告、説明を終わった。

Q&Aコーナーで、日本人選手のランキングトップで何位くらい?という質問に、「日本選手権を4連覇している選手で世界ランク70番位」と答え、「スイス遠征でTTをした時にその選手とタイムを比較すると、僕の方が2秒位早い」と話した瞬間、会場からは「すげぇ」と須貝選手の可能性への期待の声があがった。

最後に、W杯で使用したしたビブのオークションやウインドブレイカー、ポンチョなどがもらえるジャンケン大会で盛り上がって7時ころ終わった。直筆サイン入りポストカードもプレゼントした。

須貝龍SANJO応援団報告会の様子

2018年10月27日(三条東公民館)

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