2021年8月6日、當銘孝仁選手(とうめたかのり・28)=三条市スポーツ協会=が東京オリンピックカヌースプリント競技男子カナディアンシングル(C-1)1000mに出場。激漕したが準々決勝で敗退した。
カヌースプリント競技は8月2日から海の森水上競技場(東京都江東区海の森)で始まり、當銘選手が出場するC-1・1000mには33人(艇)がエントリー。6日に予選・準々決勝、7日に準決勝・決勝が行われる。予選は6〜7艇ずつ5組に分かれて行い、各組上位2艇が7日の準決勝に進んだ。3〜7位の選手は準々決勝を戦った。
三条市スポーツ協会では當銘選手がレースを行う6日、三条市役所栄庁舎で、感染症対策及びオリンピック組織委員会が定めるパブリックビューイングのガイドラインに抵触しないよう、20人ほどの関係者だけで合同応援会を開催した。大型ビジョンでの観戦は行わず、インターネットでのライブ配信を一人一人がノートパソコンのモニターを見ながら、オリジナル応援タオルを掲げたり、「GO GO JAPAN」と書かれたスティックバルーンを打ち鳴らしたりしながら、「頑張れ〜!!」「いけ、いけ〜!」と応援をした。
開会にあたり新潟県カヌー協会の塚田一郎会長は、待ちに待った當銘選手の出番ということで松岡修造さんばりの熱血応援団としてオリジナル公式応援Tシャツを着ての応援、「ぜひメダリストになって欲しいという思いで、今日はみなさんと応援をしたい」とあいさつ。
三条市スポーツ協会事務局長の岩瀬晶伍さんと分水高校・日本体育大学でカヌースプリント競技を行なっていた小林晃弘さんがレースの解説をした。
6日午前9時44分スタートの予選第1組に出場した當銘選手は赤いウエアで第2レーンに入る。250mでトップと3秒以上の差がつき、750mでは大きく遅れ、4分37秒208の7位でゴールし準々決勝へまわった。
準々決勝の第3組は午前11時51分にスタート。青いユニフォームに着替えた當銘選手は第1レーンを1km先のゴールへ向かって激漕。250mではトップと2秒差の6位で通過すると、時速13.5km前後のスピードでトップを必死に追いかけるが差は縮まらず、4分38秒546、6位でフィニッシュ。1位とは31秒以上の差がついた。準々決勝敗退が決まり、當銘選手の初めてのオリンピックでのレースは終わった。
予選第1組と準々決勝第3組の結果は以下の通り。
順位 | 国 | 選手名 | タイム | |
---|---|---|---|---|
1 | ルーマニア | カタリン・チリラ | 4:05.617 | SF |
2 | キューバ | ホセ ラモン・ペリエル コルドバ | 4:06.343 | SF |
3 | 中国 | 鄭鵬飛 | 4:10.115 | QF |
4 | ポーランド | マテウシュ・カミニスキ | 4:11.202 | QF |
5 | ロシアオリンピック委員会 | ビクトル・メランチェフ | 4:14.004 | QF |
6 | ハンガリー | ダニエル・フェエシュ | 4:34.000 | QF |
7 | 日本 | 當銘孝仁 | 4:37.208 | QF |
SF:準決勝進出、QF:準々決勝進出 |
順位 | 国 | 選手名 | タイム | |
---|---|---|---|---|
1 | ドイツ | ゼバスティアン・ブレンデル | 4:07.036 | SF |
2 | ウクライナ | ユリ・バンデュク | 4:08.719 | SF |
3 | スペイン | パブロ・マルティネス | 4:09.102 | × |
4 | ロシアオリンピック委員会 | ウラジスラフ・チェボタル | 4:18.517 | × |
5 | スペイン | カエタノ・ガルシア | 4:31.929 | × |
6 | 日本 | 當銘孝仁 | 4:38.546 | × |
7 | モザンビーク | ジョアキン・ロボ | 5:04.687 | × |
SF:準決勝出場資格者、X:除外 |
▼當銘選手出場のC-1・1000m予選の動画
https://www.gorin.jp/video/6266741263001(外部リンク)
▼當銘選手出場のC-1・1000m準々決勝の動画
https://www.gorin.jp/video/6266743656001(外部リンク)
レース終了後のインタビューに、三条市スポーツ協会の野崎勝康会長は「調子が悪くないて言っていた當銘選手の頑張りを期待していたがレースを見て世界のレベルとは相当の違いがある」とし、選手はもちろん「支援をする側も力を入れていかなければならない」と語った。當銘選手が出場するカヌー競技観戦ツアーに申し込んでいたが、無観客開催となりツアー自体がキャンセル、海の森水上競技場で応援ができなくなった古川裕之さんは「結果は残念だったが、4分足らずのレースに全力を傾けて見えない部分で、何年間も苦労してやっとオリンピックの舞台に行けたというところの裏側を感じることができた。久しぶりに魂が震えた。」と感動。
母親と長女の一華(いちか)ちゃん(8ヶ月)と応援をした、元カヌーワイルドウォーター日本代表の本田圭さんは「感無量です。(當銘選手が)漕いでいる姿を見て涙が止まらなかった」と少し涙目。三条市スポーツ協会事務局長の岩瀬晶伍さんは「シングルに切り替えてから3ヶ月。オリンピックの舞台に立つだけでも厳しい中で、2本漕いで『よく頑張った』」と声をかけたい、とした。
當銘選手は閉会式に出席してから三条に戻る予定。
合同応援会の様子
2021年8月6日(三条市役所栄庁舎)
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