ビクトリークリニック・フェニックス600(陸上)
リオ五輪陸上400mリレー銀メダリストの飯塚翔太選手が新潟県燕市の中学3年生応援事業「フェニックス600」に講師として来燕し、ミニ講演会では新型ウイルスで自粛中の話やそこから日本選手権で優勝するまでを話し、クリニックでは自粛中でもできるトレーニング方法などを紹介した。 [再掲載]
フェニックス600は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う学校の臨時休業や行事の縮小、各種大会の中止等により、義務教育最終年に通常の学校生活ができなかった市内中学3年生約600人を対象に、今後の人生において夢や希望が持てるような貴重な体験の場を提供するもの。
2020年11月1日、飯塚選手を講師に迎え、ビクトリークリニック・フェニックス600(陸上)が燕市体育センターで開催され、ミニ講演会とクリニックに市内5つの中学陸上部の生徒約100人が参加した。
飯塚翔太選手(29)は陸上競技短距離(100m・200m)のトップアスリート。ミズノトラッククラブ所属。オリンピックリオデジャネイロ大会(2016年)4×100mリレー(2走)の銀メダリスト。2020年10月、デンカビッグスワンスタジアム(新潟市)で行われた第104回日本陸上競技選手権大会200mで優勝、2年ぶり4回目のタイトルを獲得した。
午前9時からの開会式で鈴木力燕市長はあいさつを行い「今年はいろんな事があったが、いろんなことを諦めずに新しい夢、目標に向かって大きく羽ばたいて欲しい」と呼びかけた。
正解がないから探す作業が楽しい
ミニ講演会で飯塚選手は新型ウイルスのため自粛中の話をした。
3月から3ヶ月位陸上競技場が使えなかったが練習できる所、コトはたくさんあり、情報を探したり、ユーチューブを見たりして過ごしていた。練習は河川敷の芝生の上で週5回くらい行っていた。
陸上はみんな走り方が違い、正解がない。成長するためには(自分の)正解を探していかなければいけない。自粛中はいろんな人の走りを動画で見て、試して、それが楽しくて発見があった。「正解がないから探す作業が楽しい」と話した。
「これから思い通りにいかないこともある」が、それを乗り越えるためには「大きな目標や夢を作ること」が必要で、エネルギーが湧いてくるような夢の作り方が大事。自分のために(夢を)作るのではなくて誰かが喜んでくれるような目標を作る事が大事で、家族や友人と話しをする中で、共感できることや自分のやりたいことが見つかる。みつかった目標や夢を人に伝えること、発信することでレベルが上がってくる。
オリンピックが延期になったが、飯塚選手は「世界を平和にする」という大きな夢をもっていて、そのためにできる小さなことがたくさんあったのでモチベーションを高く維持できた、とした。
「走っている時にどんなことを考えていますか」の質問に飯塚選手は「肩を落として腕をふること」。練習中はキツイ時に「最高!」と思う、こんなに追い込めることは最高だな、と考える。試合の時は何も考えない。ピストルが鳴ったらゴールまで一生懸命走るだけ。と、答えた。
クリニックでは、目をつぶったままでの片足立ち、ラインの上を歩く、顎をあげていき顔を真上方向に向けたり、両手を胸の前で水平に伸ばし首をゆっくり左右に動かしてみて手の位置に差がでないか、などバランス感覚や自分の状態を確認した後、足の裏を指でなぞったり、片足立ちになり反対の足を前後に揺らす、その場で8の字にステップを踏む、肩甲骨をうまく使って走るためのエクササイズなど、バランスを改善する方法を紹介した。
きつい練習=最高!
約30mの間隔に置かれたマーカーの間を走るトレーニングの時には、「キツイ練習が多いがやり続けるためにはやだなという気持ちを無くし、『きつい練習=最高!』だという思いを植え付ける」ようにしていて、「めっちゃキツイ時に「きつかったな、でも最高だな」としゃべる。しゃべった言葉は影響が大きい」とアドバイスすると、生徒たちは早速、実践。「最高!」と言いながら走っていた。
クリニック後には中学3年生全員+5人に飯塚選手がその場で名前を入れてサインをした色紙をプレゼントして11時半頃に終了した。
ビクトリークリニックの様子
2020年11月1日(燕市体育センター)
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