カヌースプリント競技で東京オリンピックに出場した當銘孝仁選手(とうめたかのり・28)=三条市スポーツ協会=が滝沢亮三条市長に大会結果を報告し、メダルを狙うには今の環境では難しいと支援を求めた。
當銘選手は2021年8月16日午後3時に市職員などが出迎える中、新潟県カヌー協会の柴田圭介副会長、三条市スポーツ協会の野崎勝康会長、岩瀬晶伍事務局長とともに三条市役所を訪れた。當銘選手はオレンジの上衣に黒いパンツ、TVでよく見かけたあの五輪日本代表の公式ウエアを着て、市長に大会結果を報告した。
當銘選手は「三条市の皆様、新潟県の皆様のお陰で東京オリンピックという大きな舞台に立てた」と感謝。しかし「結果は納得のいく結果ではなく悔しい」、今後については模索をしてるところで「次回、出るならばメダルに挑戦したい。メダルを狙うには今の環境では難しい」と三条市や市民・企業からのサポートを求めた。滝沢市長は「當銘選手のナイスファイトは、私を含め多くの市民が感銘、感動した。まずはゆっくり休んでいただきたい」と労った。
當銘選手は、メダルを取った中国とは「関わる強化の体制に雲泥の差がある」、「大袈裟に言えばサポートの体制がプロと少年野球みたいな感じ」と、努力だけでは補い切れないものがあると訴え、岩瀬事務局長は、「三条市民としてオリンピックという大舞台にたった」當銘選手が「今後オリンピックでメダルを目指すためには支援体制を整えなければならない」、野崎会長は「3年後を目指してもらいたい。7年後でもまだまだ十分戦える」と、三条市に支援・協力を求めた。
カヌースプリント競技は海の森水上競技場(東京都江東区海の森)で8月6日に予選・準々決勝、7日に準決勝・決勝が行われた。當銘選手は男子カナディアンシングル(C-1)1000mの予選第1組に出場、4分37秒208の7位でゴールし準々決勝へまわった。約2時間後に行われた準々決勝では第1レーンを1km先のゴールへ向かって激漕したが、4分38秒546、6位でフィニッシュ。準々決勝での敗退となった。
このレースについて8月12日の取材に「自分の中で一番良くないレースをした」、「準備段階ではかなりいい手応えだった。なぜ試合でできなかったのか、自分でもよくわからない」、「前日の練習でもかなりいいタイム」が出ていて自分でも期するところがあったが「なぜか本番でうまくいかずに、自分の状態にあったレースができなかったことが悔しい」と答えている。
表敬訪問後の取材対応では、「試合は不完全燃焼」だったが、それでも「すごい頑張ったね」と暖かい言葉をかけてもらい、応援してくれたことに感謝した。五輪後にすぐ三条に戻り高校カヌー部の指導を行ったことについては「自分しか伝えられないことがある。経験を伝えたい」とし、今後については「どうにか出たオリンピック」から、メダルを狙うレベルにいくためには強力な支援が必要で、サポート環境を求めながら、「まずは1年、思い切りトライしたい」と答えた。
當銘選手は8月18日、出身地の沖縄に戻り、休養を取りながらトレーニングを続け、9月下旬に三条市で行われるイベントに参加するために来条を予定している。
結果報告会の様子
2021年8月18日(三条市役所)
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