カヌースプリント競技で東京オリンピック代表に内定した當銘孝仁選手(とうめたかのり・28)=三条市スポーツ協会=が三条市に凱旋。滝沢亮三条市長に代表選考レースの結果を報告し、五輪本番での決勝進出と表彰台を誓った。
當銘選手は2021年5月31日午後4時45分に市職員などが出迎える中、新潟県カヌー協会の柴田圭介副会長、三条市スポーツ協会の野崎勝康会長、岩瀬晶伍事務局長とともに三条市役所を訪れた。當銘選手は黒い日本代表の公式ウエアを着て、実際に代表選考会レースで使用したパドルを持参してレースの結果を報告した。
當銘選手はリオから始まったオリンピック挑戦について「約6年間かかって、やっとの思いで決めることができた。長い間、市民の方々、応援して下さっている方を待たせてしまった」と報告。市長は「三条市民のみならず多くの人を勇気づけてくれた素晴らしいニュース」だとし、「三条市民全員が応援しているので体調管理に気をつけて最後まで悔いのない戦いを」とエールを送った。
五輪への意気込みと目標を尋ねた市長に當銘選手は「メダルを取って、またここに来たい」と決勝進出と表彰台を誓うと、市長は「その時は燕三条駅からジュータンを」と応じた。
當銘選手は沖縄県糸満市出身。大正大学卒業の2015年から三条市スポーツ協会(当時は三条市体育協会)に所属。沖縄水産高校時代に始めたカヌースプリント・カナディアン競技でインターハイ、インカレ優勝。ジュニア、U23、A代表と各年代の日本代表として活躍。世界選手権やワールドカップにも出場。リオオリンピックでは出場まであと一歩と迫った。
日本最高峰となる日本カヌースプリント選手権大会では2016年・17年と連覇(C-1・1000m)。2020年9月の選手権ではペア(C-2・1000m)で2位以下に15秒以上の差をつけて圧勝した。
東京オリンピックへは男子カナディアンペア(C-2)1000mでの出場を目指し、沖縄水産高の後輩・大城海輝(おおしろかいき・28)選手とペアを組み、オリンピック予選のシニア世界選手権大会(ハンガリー・セゲド、2019年8月)やアジア選手権(タイ・チョンプリ、2021年5月5日)に挑んできた。特にアジア選手権ではトップと0.17秒の僅差まで迫るも、日本の出場枠獲得には至らなかったため、日本カヌー連盟は2021年5月30日に石川県小松市・木場潟カヌー競技場で、カヌースプリント男子カナディアンシングル(C-1)1000mの東京2020オリンピック代表選手選考会決勝レースを実施。當銘選手ら9人が出場し代表1枠を賭けて戦った。
レースは當銘選手が序盤からリードしてリズムを作ると、500mでトップに立ちそのままゴール。世界で戦ってきた勝負強さを見せつけて2位に3秒差の1位でゴール。オリンピック代表内定を決めた。
表敬訪問後の取材対応で、三条市長に報告することの意義を問われると「五輪出場を決めてこの場で報告できることは光栄」(當銘選手)と答え、子供達へは「一生懸命追い続けていれば、必ず叶うとは言えないが結果には結びつく。なんでもいいので全力で、ありのままの自分をさらけ出して挑戦してほしい」とメッセージ。新型ウイルスの影響で五輪が1年延期され浮上した資金不足の問題に対して「きれいごとではなくスポーツはお金がないとできないので本当に助けていただいた」と三条市や三条市スポーツ協会がクラウドファンディングを立ち上げてサポートしたことに感謝した。
市長は當銘選手が出場する試合のパブリックビューイングについては新型ウイルスの感染状況などを見ながら考えるとした。
三条市では懸垂幕を6月上旬に設置する予定。
表敬訪問の様子
2021年5月31日(三条市役所)
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