第96回東京箱根間往復大学駅伝競走
2020年1月2日に行われた箱根駅伝でエース区間「花の2区」を走った岸本大紀(ひろのり・19)がトップでタスキをつなぎ、青山学院大学の往路優勝に貢献した。岸本は新潟県燕市の分水中学、三条高校(三条市)出身で、ことし青山学院大学に入学したばかりの1年生。 [再掲載]
第96回東京箱根間往復大学駅伝競走(関東学生陸上競技連盟主催)は東京・読売新聞社前~箱根・芦ノ湖間を往路5区間(107.5Km)、復路5区間(109.6Km)の合計10区間(217.1Km)を21チームで競う、学生長距離界最長の駅伝競走。
青学大は1区・𠮷田圭太が7位で2区・岸本にタスキを渡すと、グリーンのユニフォームにピンクのシューズの岸本は2km過ぎまでに5位に順位をあげ、そのまま2位集団を引っ張り3kmまでに1位集団に追いついた。7人の1位集団は10kmの給水ポイント、15kmの権太坂で遅れる大学がでるが、青学大・岸本は1位集団4人の中でハイペースレースに余裕をもって対応。
戸塚中継所まで残り500mで1位集団を抜け出しトップにでると、そのまま3区で待つキャプテン鈴木塁人(たかと)にフレッシュグリーンのタスキを渡した。岸本は区間5位の1時間7分3秒、これまで2区を走った1年生の中では歴代トップとなる記録だった。青学大は鈴木が2位に順位を落とすが、4区・吉田祐也が区間賞の走りで1位に戻し、山登りの5区で飯田貴之は区間新でトップで往路ゴールに飛び込んだ。青学大は3年ぶりの往路優勝。5時間21分16秒はこれまでの記録を5分以上縮める新記録。
岸本が小学生低学年の頃から指導に関わった新潟県燕市の燕市陸上競技協会理事長の本多政則さんなど燕陸協関係者8人は2日、急遽現地に応援に駆けつけた。本多さんたちは2区の中継地点で岸本に声を掛けると、終始リラックスした様子で「自身に満ち溢れているような感じだった」(本多さん)。3区・戸塚中継所の手前1.3kmに移動して応援していると、1位集団4人の中で走ってきて「後方につけていたが、余裕が感じられた」。背中を押すつもりで大声で力強く応援すると、集中しているようで反応はなかったが、「一点を見つめて、区間をトップで渡したいという意欲のある顔をしていた」。本多さんは「あの走りの勢いが後続の3・4・5区につながって青学が優勝した」として青学往路優勝のMVPだとした。
岸本家は、父・母・兄・妹が1日に開催された三条市の元旦マラソンに出場してから現地に向かい、応援した。レース後に会った本多さんによると岸本家も「もう、感激していた」。
補欠ではあるが日本大学1年の松岡竜矢(たつや・19)もエントリーされていて、出番があるかもしれない。松岡は燕市の吉田中学、中越高校(長岡市)出身で今年、日大に入学した。10月の新潟県駅伝では、繰り上げ同時スタートとなった長谷川直輝(長岡市西・セキノ興産)に競り勝ち区間賞を獲った。
(敬称略)
[訂正]
松岡竜矢選手のお名前を間違えておりました。
お詫びして訂正いたします。(F-Spo)
往路成績 | チーム | タイム |
1位 | 青山学院大学 | 5時間21分16秒 ◎ |
2位 | 國學院大學 | 5時間22分49秒 ◎ |
3位 | 東京国際大学 | 5時間24分33秒 ◎ |
4位 | 東海大学 | 5時間24分38秒 ◎ |
5位 | 明治大学 | 5時間27分11秒 |
6位 | 帝京大学 | 5時間27分15秒 |
7位 | 創価大学 | 5時間27分34秒 |
8位 | 駒澤大学 | 5時間27分41秒 |
9位 | 早稲田大学 | 5時間28分48秒 |
10位 | 拓殖大学 | 5時間29分 8秒 |
11位 | 東洋大学 | 5時間29分15秒 |
12位 | 中央学院大学 | 5時間29分17秒 |
13位 | 中央大学 | 5時間31分40秒 |
14位 | 順天堂大学 | 5時間31分52秒 |
15位 | 日本大学 | 5時間32分53秒 |
16位 | 法政大学 | 5時間33分 0秒 |
17位 | 神奈川大学 | 5時間34分11秒 |
18位 | 日本体育大学 | 5時間34分35秒 |
19位 | 筑波大学 | 5時間37分53秒 |
20位 | 国士舘大学 | 5時間38分37秒 |
※ | 関東学生連合 | 5時間34分54秒 (参) |
※関東学生連合チームはオープン参加で、記録は参考記録扱い。 ◎は新記録 |
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