【バレーボール】デフバレー金メダルの高橋朋伽選手が宣言通りの「金メダル」を報告 三条市は市民栄誉賞を授与

東京2025デフリンピックバレーボール女子日本代表・高橋朋伽選手優勝報告会・三条市民栄誉賞表彰

11月に開催された「東京2025デフリンピック」で優勝したバレーボール女子日本代表の高橋朋伽選手が12月26日、金メダルを持って三条市に凱旋。三条市はその功績をたたえ三条市民栄誉賞を授与した。

(投稿/2025年12月26日)

この記事の写真を見る→

三条市出身の高橋朋伽(たかはしほのか)選手(17)は中越高校3年生でバレーボール部に在籍。身長165.5cmのアウトサイドヒッター。小学3年生の時、友人から誘われてバレーボールを始めた。高校1年の冬、突然周りの音が聞こえなくなったが競技は続け、5月に東京2025デフリンピックデフバレーボール女子日本代表に初めて選ばれた。

11月に開催された、きこえない・きこえにくいアスリートのための国際スポーツ大会「東京2025デフリンピック」では予選リーグ、決勝トーナメントの全試合に出場。明るい笑顔でチームを盛り立て、気迫あるプレーで金メダル獲得に貢献した。

12月26日午後1時半頃、金メダルをかけ日本代表のユニフォーム姿の高橋選手は大勢の市民や職員が出迎える中を少し照れるように入庁。聴覚障がい者協会、手話サークルの関係者など100人ほどが集まった2階会議室に入場した。

優勝報告では、高橋選手が用意した文章を職員が代読。
高橋選手は応援や支援に感謝し「日本代表の活動は大変なことも多かった」、合宿中も厳しい練習が続いたが「チームメイトは家族のように温かい人ばかりでとても良い仲間と一緒に頑張れた」。大会ではリリーフサーバーとして全試合に出場。準決勝のウクライナ戦はフルセット終盤に交代で呼ばれたとき「緊張で息が止まりそう」だったがコートに立った瞬間、不安は消えてサービスエースも決めた。決勝のトルコ戦では、「最後は全力を出し切るだけ」という思いで挑み、バレーボールが出来る幸せを感じながら力を出し切り、金メダルを獲得することが出来た瞬間は「胸が震えるほど嬉しく特別なものだった」と大会を振り返った。
8月に市長を訪ねた際には「金メダルを持って三条に戻ってきます」と宣言した通りの報告となった。

高橋朋伽選手優勝報告の全文→

滝沢亮三条市長は「高橋選手のプレーは常に笑顔で、元気ハツラツ」でパワーやエネルギーをもらうことができた。「今後も私たち三条市民一同、高橋ほのか選手の活躍をずっと応援し続けます」と祝福した。
会場に用意された金色のくす玉の紅白の紐を高橋選手と滝沢市長が一緒に引くと、中から「祝・金メダル 東京2025デフリンピック おめでとう」の垂れ幕が下がり、会場からは大きな拍手とサインエールが贈られた。

続いて行われた三条市民栄誉賞表彰では滝沢市長から高橋選手に表彰状と目録が手渡された。
森山昭三条市議会議長は「高橋さんの決勝戦でのあのサーブ、それによって日本チームに大きな流れがきた。そしてまた最後まで諦めない力強いプレーが、私たち三条市民に大きな感動と勇気を与えてくれた」と、お祝いの言葉を述べた。

優勝報告、表彰後のメディアの取材対応では、会話を文字化するアプリを使って質問が文字起こしされ、それを読んだ高橋選手が画用紙に答えを書いて、質問に答えた。
金メダルを獲得した感想を尋ねられると「初めての国際大会出場で緊張や不安もある中、自分らしいプレーをし、金メダル獲得できたことは本当に特別です」、三条市や新潟県からの応援は「SNSでたくさんの応援が届き、すごく力になりました」。「今回はリリーフサーバーで途中出場だった。今後はスタートメンバーからチームを支えたい」と目標を書いた。自分の部屋に誰にも取られないように飾ってある金メダルを毎日見て「自分すごいなあと余韻に浸っています」と笑顔になった。

会場を訪れた中越高校女子バレー部の本間克敬(かつたか)監督(40)は、「(高橋選手は)持ち前の明るさがすごくあり、こちらに気を使わせないように振る舞っている。口の動きを読む力がすごくあるので、ジェスチャーと口の動きだけで日常的な会話や、プレーについての戦術を伝えることとか、基本的なことはできている」ことから他の選手と同じように接している。三条市民栄誉賞受賞については「彼女を応援してくれる人が沢山いてすごく嬉しい」「代表に選ばれたこと自体も本当に素晴らしいし、金メダルに貢献してくれたこと、試合で力を発揮してくれたこと。本当によく頑張ってくれた」と褒めたたえた。

三条市民栄誉賞は社会に明るい希望と感動を与え、広く市民に敬愛される市民、団体などの栄誉をたたえるもので、令和3年に創設。今回の表彰は、東京2020パラリンピック競技大会の開会式で国歌独唱をした三条市出身のシンガーソングライター佐藤ひらりさんに続き、2人目。

高橋朋伽選手優勝報告会・三条市民栄誉賞表彰の様子

2025年12月26日(三条市役所三条庁舎大会議室)


写真等の掲載について⇒
プライバシーポリシーのページへ⇒

[高橋朋伽選手優勝報告の全文]
デフバレー女子日本代表の高橋ほのかです。
11月15日から26日まで東京2025デフリンピックに出場してきました。
これまで応援してくださった皆様、支えてくださった方々のおかげでここまで頑張ることが出来ました。
本当にありがとうございました。
日本代表の活動は大変なことも多く、強化合宿前日は不安でいっぱいでした
合宿中も厳しい練習が続きましたが、チームメイトは家族のように温かい人ばかりでとても良い仲間と一緒に頑張れました。
大会では全試合でリリーフサーバーとしてコートに立つ機会をいただきました。
初戦ではサーブがなかなか決まらず、サーブ後のレシーブでコートを守りましたが、準決勝、決勝に進むにつれて
自分の得意なサーブが決まりはじめチームに流れを作ることが出来ました。
準決勝のウクライナ戦ではフルセット終盤に交代で呼ばれたとき、緊張で息が止まりそうでした。
でもコートに立った瞬間、不安は消えて自分を信じて笑顔でプレーし、サービスエースも決めることが出来ました。
決勝のトルコ戦では、「最後は全力を出し切るだけ」という思いで挑みました。
試合が始まると緊張がなくなり、夢のような舞台で応援を受けながら、バレーボールが出来る幸せを感じました。チーム全員で力を出し切り、金メダルを獲得することが出来た瞬間は胸が震えるほど嬉しく特別なものでした。
また、メディアでも私のプレーを取り上げていただき「サーブで勢いを与え、笑顔でチームを支える」という大会前の目標を実現できたことも、とても嬉しかったです。
最後に、応援してくださった滝沢市長はじめ三条市役所の皆様、地域の皆様に心から感謝いたします。
ありがとうございました。


Comments are closed