【車いすバスケ】「パリ」パラリンピックを目指す燕市・知野光希さん(新潟WBC)

2022年9月にタイ・プーケットで開催された「2021 IWBF男子 U23 車いすバスケットボール世界選手権大会」に、日本代表メンバーとして出場し、史上初の優勝を成し遂げた新潟県燕市の知野光希さん(21=新潟医療福祉大3年、新潟WBC)は新潟県スポーツ賞、燕市燕大賞、燕市スポーツ協会特別栄誉賞などを受賞した。現在は「パリ」パラリンピックを目指して技術を磨く。

4歳の時の病気が原因で下半身が動かない知野さんは、父親に誘われて試合を観戦して興味を持ったことがきっかけで小学5年生の時に車いすバスケを始めた。車いすバスケを始めてからは自分に得意なものができて、自分に自信を持てるようになり高校2年生の時には、U23日本代表に選ばれた。

4年に一度開催される世代別の世界選手権大会での優勝を目標に掲げたU23の代表合宿は「チーム全員が(優勝)できる!」と雰囲気も盛り上がっていたと知野さんは話す。知野さんにとってはじめてとなる世界選手権は「海外だったので日本との空気の違いやまわりも、タイの人たちや他の国の選手たち、最初はその空気に押され気味」だったが、「徐々に慣れていって、試合に集中することができた」。

12カ国がグループA・Bに分かれて実施した予選リーグでは4勝1敗で決勝トーナメントへ進出。イスラエルとの準々決勝は64‐43、スペインとの準決勝は僅か2点差の53‐51で勝利し決勝へ進んだ。
決勝の相手は予選で69-54で勝利していたトルコとの再戦。「選手一人一人の特徴も大体掴めていた」トルコ戦は「日本の得意なハードディフェンスで相手選手の体力を削り、得点を47点という低スコアに抑え」、52-47で史上初の金メダルに輝いた。

燕市スポーツ協会の表彰式での取材に知野さんは「U23世界選手権での優勝は通過点として、年齢制限のないA代表でパリパラリンピックを目指し、その次も代表として選ばれるように努力をしていきたい」と抱負を語った。

車いすバスケについては「スピード感や迫力のある激しいぶつかり合い。ゴールの高さやルールも健常者のバスケットボールとほとんど変わらない点も良いところ」が魅力だと語る知野さんは現在、新潟WBC(新潟車いすバスケットボールクラブ)に所属し、週2〜3回のチーム練習を行う他、個人練習で技術を磨いている。

A代表への強い思いはあるが、U23決勝戦での出場機会がなかった知野さんは「自分のシュートをもっと自信を持って打つべきだった。A代表の選手3人に頼りすぎてしまった」と反省。各賞の受賞にも「とても光栄だがこの栄誉をゴールと思うのではなく、これを機に更なる活躍ができるように精進していきたい」。「(A代表は)今の自分よりも心身ともに強く、技術や知識も卓越しているが必ず、自分も同じステージに立てると信じて努力を続けていきたい」とさらなる高みを目指している。

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