【カヌー】W杯の結果に手応え プロカヌーアスリート當銘孝仁選手

2022年4月からプロカヌーアスリートとして活動を始めた東京オリンピックカヌースプリント日本代表・當銘孝仁選手(とうめたかのり・29)=アーネスト=は、5月のワールドカップで「オリンピックよりいいレースができた」と手応えを感じている。


2022年6月9日、新潟県三条市立下田中学校2年生の総合学習が三条市大谷ダムで行われ、カヌー乗艇体験やミニ講演会の講師として来条した當銘選手にプロアスリートとしての活動や5月に出場したワールドカップについて話を聞いた。

日本のカヌースプリント選手としてはほぼ初めてとなる「プロアスリート」として4月から活動を始めた當銘選手は、“カヌー関係の同業者”から思ったより反響があり、「今までこういう形でやる人がいなかった。その一歩、道を切り拓いたのは大きい」と言われ、「自分自身もしっかり見せれるようにしようと」と意識が変化したと語った。大きいのは食事に対してで、お金を気にせずいいものをしっかり摂れるような環境になったことで、体のケアについても自分でトレーナーに依頼することや、ケアの道具も買えるようになり「かなり充実している」と環境面が大きく改善された。

5月26日〜29日にポーランド・ポズナンで開催されたワールドカップ第2戦にはカナディアンペア(C-2)500m、1000mとカナディアンシングル(C-1)1000mの3種目に出場した。

籔碧透選手(やぶあおと)=自衛隊体育学校=とペアを組んだC-2の500mは準決勝6位でB決勝に進んだが、B決勝が中止となった。C-2 1000mではA決勝7位となったが、オリンピック種目から外れた種目で有力選手も出場していなかった。「着順でくっつけた」ペアは「それなり」にしかならず、「良さを感じていない。早いもん同士をくっつければ速いわけではない」とした。

一方、C1 1000mの結果は準決勝8位ながら「手応えはありました」。3種目分の予選や決勝レースでかなりの本数をこなした後のレースで「さすがにきつかった」「前半いって、あぁきつい、と思ったので落とした」と振り返り「改めてシングルをやりたいと思った、楽しかった」。

現在、代表チームにはカナディアンの専任コーチがいない状態だが、みんなが主体性を持って考えてしっかりやっていて「良い方に転がっている」と8月の世界選手権(カナダ)に向けて石川県小松市での代表合宿に入った。

當銘選手が2022年に出場を予定している大会は以下の通り。
■世界選手権大会
2022年8月3日〜7日/カナダ ハリファックス ダートマス

■日本選手権大会
令和4年度日本カヌースプリント選手権大会
2022年9月7日~9月11日/石川県 小松市 木場潟カヌー競技場

■第77回国民体育大会 カヌー競技
2022年10月7日~10月10日/カヌースプリント 栃木市 谷中湖特設カヌー競技場

當銘選手は沖縄県糸満市出身。大正大学卒業の2015年から三条市スポーツ協会(当時は三条市体育協会)に所属。沖縄水産高校時代に始めたカヌースプリント・カナディアン競技でインターハイ、インカレ優勝。ジュニア、U23、A代表と各年代の日本代表として活躍。世界選手権やワールドカップにも出場。リオオリンピックでは出場まであと一歩と迫った。東京オリンピックへは男子カナディアンペア(C-2)1000mでの出場を目指しシニア世界選手権大会やアジア選手権に挑んできた。特にアジア選手権ではトップと0.17秒の僅差まで迫るも、日本の出場枠獲得には至らなかった。その後、シングル(C-1)1000mの東京五輪代表選手選考会で優勝し、2021年8月、東京五輪に出場した。2022年4月からはプロアスリートとしてパリオリンピックを目指して活動をしている。


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