【学校講演会】「なんでもいいから、熱中できることを探してください」 オリンピアン・當銘選手が分水北小で講演

當銘孝仁選手学校講演会 in 分水北小学校

燕市立分水北小学校(坂内克明校長)は2021年11月16日午後1時55分から、東京2020オリンピックのカヌースプリント競技に出場した當銘孝仁選手(とうめたかのり・28)=三条市スポーツ協会=を講師に講演会を開き、當銘選手は6年1組の児童20人に「なんでもいいから、熱中できることを探してください」と呼びかけた。

分水北小では、愛校心を育て、大人になっても郷土に愛着を持って生きていって欲しいと地域で活躍する人を講師に「分水の未来を考える」というテーマでキャリア教育を行っている。今回は、これまで講師を務めたことがある分水高校OGでカヌーアスリートの本田圭さんからの紹介でオリンピアンによる講演が実現した。

當銘選手は沖縄県糸満市出身。大正大学卒業の2015年から三条市スポーツ協会(当時は三条市体育協会)に所属。沖縄水産高校時代に始めたカヌースプリント・カナディアン競技でインターハイ、インカレ優勝。ジュニア、U23、A代表と各年代の日本代表として活躍。世界選手権やワールドカップにも出場。リオオリンピックでは出場まであと一歩と迫った。東京オリンピックへは男子カナディアンペア(C-2)1000mでの出場を目指しシニア世界選手権大会やアジア選手権に挑んできた。特にアジア選手権ではトップと0.17秒の僅差まで迫るも、日本の出場枠獲得には至らなかった。その後、シングル(C-1)1000mの東京五輪代表選手選考会で優勝し、東京五輪に出場した。

TVでよく見かけた「サンライズレッド」の五輪日本代表の公式ウエア姿で「當銘選手ようこそ」と書かれた黒板の前に立った當銘選手は、5分前には全員が着席した子どもたちの緊張を和らげるために腕を回す準備運動をしてから講演を始めた。

當銘選手はカヌーを始めたきっかけやリオ五輪への挑戦、東京オリンピック出場までの道のりなどを語った。リオ五輪まではコーチがいなくて闇雲な努力をしていたが東京五輪に向けては予算が付きコーチががつき、競技レベルが上がった。当初、出場を目指していた2人乗りのペア種目ではトップと0.17秒の僅差まで迫った。そのレース後には入院するほど、全ての力を出し切った。その2週間後には国内最終予選があり、ペアからシングルへと切り替えて挑戦をした。

「當銘は2人乗りの選手だから、1人乗りは大したことはない」と言われ怒りが込み上げてきたが、その怒りをエネルギーに変えて最終予選で優勝し、東京五輪に出場した。しかし、本番では準々決勝で敗退。何がダメだったのか?足りなかったものは何か?を自身に問いかけてみると「熱くなる気持ちが欠けていた」、守りに入ってしまった、と顧みた。

當銘選手は勉強も苦手で夢を持てずにいたがカヌーに出会ってから変わった自身を振り返り、子どもたちに「なんでもいいから、熱中できることを探してください」、「なんでもやってみる、試してみる、いろんなことにチャレンジする」ことが大切だと呼びかけた。

子どもたちからは「今日はオリンピックに出た人に会うという自分の夢がかなって本当によかったです。」とお礼の言葉とともに「次のオリンピックでは頑張ってください」と手作りの金メダルがプレゼントされた。

當銘孝仁選手学校講演会の様子

2021年11月16日(分水北小学校)

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