東京オリンピックに出場するコソボ共和国柔道選手団が2021年7月21日、ホストタウンの新潟県三条市での事前合宿を終えて選手村に向けて出発した。滝沢亮三条市長は「三条市はコソボチームを応援する」と選手たちを激励した。
三条市は東京2020オリンピック開催に当たり7月15日~21日までコソボ共和国のホストタウンとして、女子選手4人、男子選手1人、コーチ1人、練習パートナー1人の計7人の同国柔道選手団の事前合宿を受け入れた。選手たちは中小企業大学校三条校に宿泊しながら、三条市体育文化会館で事前合宿を行った。
合宿が終了した21日午後1時30分から、選手団、滝沢市長、梨本次郎三条市ホストタウン事業実行委員会長等が出席して、中小企業大学校2階正面玄関前ロビーで激励セレモニーが開催された。
滝沢市長は、コロナ禍でなければ出席していたはずの柔道クラブの子供たちや市民全員の応援の気持ちを代表して「どの階級にも強力な日本選手がいるが、三条市はコソボチームを応援する」と述べた。
選手団を代表してクカコーチは、「三条でのトレーニングは自分たちの家のように行うことができた」と感謝し、三条で事前合宿をした2019年世界柔道選手権では3つのメダルを取ることができたことを引き合いに、「今回のオリンピックでも実力を発揮し最高の結果を、メダルを取りたい」と誓った。
選手達には応援メッセージが書かれたコソボ国旗や記念品が贈られた。
コソボの選手はリオ五輪金メダリストのケルメンディ選手や世界ランキング1位のクラスニキ選手、2019世界柔道銅メダリストのロリアーナ・クカ選手など日本の強力なライバルとなりそうなメダル候補が勢揃いした。
名前 | 階級 | 主な成績 |
ディストリア・クラスニキ | 女子48kg級 | 現世界ランキング1位 |
マイリンダ・ケルメンディ | 女子52kg級 | リオ五輪金メダリスト |
ノラ・ジャコバ | 女子57kg級 | |
ロリアーナ・クカ | 女子78kg級 | 2019世界柔道銅メダリスト |
アキル・ジャコバ | 男子73kg級 | |
ドリトン・クカ | コーチ | |
フラカ・ロジャ | 練習パートナー |
東京オリンピックでコソボの選手たちが出場する予定は以下の通り。
・女子48kg級 7月24日(土曜日)
・女子52kg級 7月25日(日曜日)
・女子57kg級 7月26日(月曜日)
・女子78kg級 7月29日(木曜日)
・男子73kg級 7月26日(月曜日)
選手団は全員ファイザー社製ワクチンの接種を受けていて、自国で2か月間以上の隔離生活後に日本に入国。出国前96時間以内に2回、日本入国時(検疫)、市内滞在中は毎日、抗原検査又はPCR検査を実施。選手達と市民とのの交流事業は行わず、市内では宿泊施設と練習施設の移動のみという行動制限がかけられていた。
セレモニー後に行われた報道陣から選手団への質問で、ケルメンディ選手は「オリンピックについては、調子がとてもよく、準備も万全でメンタルもフィジカルも全て絶好調なので最善を尽くしたい」、同じ階級の阿部詩(うた・21)選手との決勝を期待している声があるが?との質問には「最初から決勝のことを考えるのは良くない。まずは1回戦、2回戦、3回戦」と答えた。
ケルメンディ選手に記念品を渡す役となった三条市ホストタウン事業実行委員で三条市スポーツ協会事務局長の岩瀬晶伍さんは、渡す時に「I support you. Good luck!」(応援しています。頑張ってください)と声をかけると、「Thank you」(ありがとう)と返事をもらった。合宿中はほぼ全ての練習のサポートをし、練習を間近で見ていた岩瀬さんは「順調に調整をしていたようだ」、「みんながメダルを持って帰ってきて欲しい」と期待を込めた。
激励セレモニーの様子
2021年7月21日(中小企業大学校三条校)
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